会長挨拶
ご挨拶
日本農村生活学会会長 市田 知子
2022年4月より本学会の会長を務めることになりました。甚だ微力ではありますが、どうぞよろしくお願いします。さて、本学会では一昨年から続くコロナ下において、2度にわたりオンラインでの大会を開催しました。一昨年、昨年ともに、おかげさまで多数の方々にお集まりいただき、意見交換や議論も活発に行われ、盛会となりました。大会委員会をはじめ、ご準備、運営いただいた皆様にあらためて感謝申し上げます。
高度経済成長に差し掛かる頃に発足した本学会は本年、第70回大会を迎えます。当時の「農村生活研究」からは、各地の普及員が農家や農村の生活改善に関して情報交換を行う場であったとともに、労働力の再生産過程である「生活」に理論的な接近を試みる場でもあったことがうかがえます。この70年間で日本の農業や農村は激変し、学会の研究テーマや構成員も大きく変わりました。一方で、コロナ下の自粛やテレワークの普及が家庭菜園や市民農園の追い風になっているように、農村や「農的なもの」の役割は時代を超えて求められ続けていることを実感します。身近な所で作られた農産物や食べ物に目を向け、味わう機会も増えているように感じます。
今年度の記念すべき大会に向けて、他の学会ではできない、本学会ならでは、の独自な研究活動を続けていければ、と願っています。会員のみなさまの積極的な参加とご協力をよろしくお願いいたします。
(2022年6月21日)